「評価」される面談から「将来を話せる」面談の場に
部下5名に対して、コーチングをしています。
入社3年目の方にコーチングの感想を聞いた時に、「これまで過去の上司も含めて1on1をする時は人事面談だった。上司と僕との間に"評価"と言う見えない川が流れている。でも今日は評価ではなく、将来を語り合える時間を持てたことがすごく嬉しかった」と言われました。入社3年目の方が、上司と1on1をするときに評価を気にして話をしていたと思うと、少し悲しいというか衝撃的でした。
5名のうちのある方とのコーチングのテーマは、業務のマニュアル作成でした。彼女の上司が何人か変わり、その度にマニュアル作成の指示が出ているにも関わらず、3年間、作れずにいました。コーチングを学ぶ前なら、「あなたはこれをやらなければいけないので、やってください。」と指示していたと思います。
コーチングで目標について「あなたの本当にやりたい仕事はなんですか?」と未来についての質問をすると、「自分はプログラムを作る側に移りたい。事情があってプログラマーから離れてしまった。今は経費の仕事をしていますが、自分の本当にやりたいことではない」と話してくれました。私は、「ならば、なおさら経費の仕事をマニュアル化してそしたら他の人に渡せるでしょう、そしたらプログラミングの仕事ができるのではないでしょうか。」と提案しました。そこからは早かったです。結果、3年間できなかったことが、約3か月で9割が完成しています。
「マニュアルを作れ」という、会社からの一方的な指示が、彼女自身の目標になっていたのだと思います。
「なぜできたのか?」彼女に聞くと、「できなかったのではなく、やる気がなかったのです」と話していました。彼女がなぜできなかったのかという、裏にある感情や思いというのを聞けていれば、もっと早くやりたいことに向けて行動が起こせていたのに、と思います。
今年は人事異動があり、私たちの部署は普段よりもメンバーがかなり少なくなっていますが、それに屈せず、メンバー一人一人の仕事への姿勢が徐々に変化し始めていることを感じています。