職場やスタッフの方に変化はありましたか?
スタッフとの面談にコーチングの要素を導入する事で、以前は年間目標が定性的なものばかりで達成したのかどうかも分からないスタッフがほとんどでしたが、具体的でかつ行動のプランにまで「自分の力」で落とし込めるスタッフが増えました。そして、ミーティングの場面で問いを立てることを意識した結果、スタッフたちからの業務改善の提案が増える結果に繋がりました。
たとえば、
「スタッフが最高のコンディションで仕事をできるようにするために、何ができるだろう?」
「患者さんがリハビリ室から帰る時に、前向きになっていられるためにできることはなんだろう?」
といった問いに対して、
「スタッフの本棚を共有化したら、もっといろんな勉強ができるんじゃないですか?」
「リハビリ室の受付を飾り付けてもいいですか?」
「そもそも、あの書類って高齢の方が読むには字が小さくないですか?」
などなど、日常の場でスタッフが提案してくれるアイディアが2倍に増えました。
また、コーチングだけの成果ではありませんが、昨年、今年と実施された病院の職員満足度調査でも全部門の中で満足度が高く、特に「創意工夫を活かそうとしている」「新しい仕事にチャレンジしていこうとしている雰囲気がある」という点で高い結果となったのもとても嬉しく感じています。
ただ、何よりコーチングを通じて得られたものは、これまで私がアドバイスを意識するあまり失ってしまっていた「会話の先にあるアイディア、可能性」だと思います。対話と質問の中で思いもよらないアイディアがスタッフから飛び出てきたり、自分で悩みの根源に気付いて帰っていたり。そういうときの、スタッフの顔は概してとても素敵なのです。
スタッフの心の奥にある「種」を芽吹かせるのか、はたまた気付かずに私の植えたい花を植えてしまうのか。コーチングには、そこに気付かせる力があると思います。
部下や組織の可能性を信じられる今、リーダーとしての焦りはありません。