上司に求められる能力

2016.6.13

上司として部下に受け入れられるためには、いくつかの基準となる要素があります。

単に人がいいだけで部下がついてくるわけでもなければ、仕事ができるという理由だけでも部下はついてきません。また、理論を理解しているだけでは部下育成はできないでしょう。部下は、上司が日常遭遇する問題をどのように解決しているか、その手際の良し悪しを見ているものです。

部下をもつ上司の多くが抱えている次のような問題について、あなたはいくつ解決策をもっているでしょうか。

・ 指示待ち・受け身の部下の自発性をどう高めるか
・ 報告・連絡・相談をしない部下のコミュニケーションを改善するには
・ 納期を守らない、遅刻をする部下にどうやって責任感を持たせるか
・ 営業が苦手で萎縮している部下を行動させるには
・ 現場や他部門と話をしない部下のコミュニケーションを促進するには
・ 目標やヴィジョンを持てない部下への関わり方
・ 仕事に自信がない部下に自信を持たせるには
・ 顧客志向のない部下の顧客意識を高めるには
・ 会議で発言しない部下が発言するようになる関わり方
・ 自分の利益にしか関心がない部下に、会社の利益にも関心を持たせるには
・ 自分にしか興味がなく、後輩を育成しない部下の意識を変えるには
・ 自己主張が強く、人の話を聞かない部下の協調性を高めるには

「部下が茶髪で会社に来たが、そういうときはどうしたらいいか」
という質問を受けたことがあります。なぜ茶髪で来るなと言えないのかを尋ねると、
「社則で特に禁止していない。しかし、客先には行かせられない」
と言います。重ねて
「あなたはどうしたいか」
と聞くと、
「もちろん茶髪はよくないと思うが、理解がないようにも思われたくもない」
という答えが返ってきました。

また、「部下が何の前ぶれもなく、突然辞表をもってくる。そういうときはどうしたらいいか」という質問を受けたことがあります。部下が会社を辞める兆候には気づかなかったのでしょうか。彼は、その部下と前日まで普通に話していて、突然の辞表にショックを受け、自信も失っていました。

こうしたケースでは、表面的な会話は共有されていても、本音のところでのつながりに乏しいのかもしれません。いずれにしても、これらの問題は、目先の方法論で解決できることではありません。一歩踏み込んだコミュニケーションを作り出すことが必要です。

出典:伊藤守「部長講座」日経産業新聞


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