自分のタイプを知り、相手のタイプを知る
2016.8.23
配属先の上司との相性は、仕事だけではなく、人生そのものに影響します。
上司に恵まれれば、成長の機会と日々の高いモチベーションが約束されるでしょう。反対に、気の合わない上司であれば、長期間の我慢を強いられることになります。
しかし、部下は上司を選べません。もちろん上司も部下は選べませんが、上司は、部下を自分の意向に沿わせることができます。けれども、部下にその機会はほとんど与えられていません。
一般的に見て、上司の行動や言動に問題があったとしても、それを部下が上司に直接伝えるのはリスクが伴います。最近は、360度フィードバックの評価システムを使って、上司に現状を知らせる方法も出てきていますが、徹底しているとはいえません。こうなると、部下の運命はまさに「天に任せる」といった感じで、「自分ではどうにもならない」という無力感に陥ります。
しかしながら、自分にとって「苦手」であったり「相性が悪い」上司であっても、彼らとの間に、どのようなコミュニケーションのパイプを通すかという可能性を探る方法はあります。自分にとって苦手と思われる上司であっても、誰とも口をきいていないわけではないし、すべての人に嫌われているわけではありません。自分にとって苦手な上司とも、パイプを作る可能性はあるはずです。
そのときまず最初にやることは、自分について知ること。次に、上司について知ることです。難しい話ではなく、自分がどのような価値観や、判断基準をもっているかなど、自分のタイプについて知るのです。同じように、上司のタイプも知ることです。
その切り口の一つとして、コーチングでは、人のタイプをあえて単純に4つに分ける「タイプ分け™」を使用します。4つのタイプとは、ものごとを支配することを好む「コントローラー」タイプ、社交的で行動的な「プロモーター」タイプ、分析型の「アナライザー」タイプ、そして、人との関わりを大事にする「サポーター」タイプです。
自分はどれに当てはまり、上司はどれに当てはまるかを知ることで、コミュニケーションのとり方に戦略を持つことができるようになります。
出典:伊藤守「部長講座」日経産業新聞